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​アルコール依存症

耳の痛いお話をしなければなりません。

アルコールの精神への悪影響は想像以上に大きいです。

好きで毎日飲んでいらっしゃる方もいるでしょう。眠れないから、むしゃくしゃするから、落ち込むから、とお酒に頼っている方もいらっしゃるでしょう。

飲んだ時には眠たくなったり、気が紛れたりしますが、長い目で見ると睡眠の質は悪くなり、気持ちの落ち込みもひどくなっていきます。お酒が切れると落ち込みやイライラが出て、また飲んでしまう。それを繰り返して行くうちに依存が形成されて行きます。

今日は飲まないでおこう、と思ったのについ飲んでしまったり、飲むべきではない時に飲んでしまう場合、すでにアルコール依存症になっている可能性があります。

アルコール依存で肝臓が悪くなるのは有名な話ですが、脳も同じように悪くなります。アルコールをたくさん飲まれている方の脳をMRIで見ると縮んでしまっている事がよくあります。認知症のように物忘れが出たり、うつ病のように落ち込んだり、感情がコントロール出来なくなって攻撃的になったりします。

わたしの診察室でも、うつ病だろうか、認知症だろうか、と悩んでいたらアルコール依存だった、という事が実はたくさんあります。

アルコール依存症の治療法は断酒しかありません。いつもより量を減らす、つまり節酒、は不可能です。一口飲むとついつい二口目を飲んでしまい、結局いつも通り、というのは多くの方が経験ずみでしょう。

「お酒はゼロにする」それが唯一の治療法で、また一番楽な治療法です。やめてみれば意外と飲まないでもやって行けると感じる方が多いですし、身体も心も軽くなるのを実感するはずです。周りの方の笑顔も増えているはずです。

あとは再飲酒を防いで行くだけです。アルコール離脱症状を防ぐための薬や不安、不眠、落ち込みを防ぐ方法について相談して行きましょう。アルコールの依存性はとても強いので苦労する場面も多いと思いますが、あなたが前を向いていてくれれば、手助けの方法はいくらでもあります。一緒にやって行きましょう。アルコール依存症との戦いは簡単ではありませんが、とてもシンプルです。あなたにもきっと可能です。

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